どちらも家計を助けてくれる有り難い制度ですが、申請のタイミングが遅れてしまうとさかのぼっては対応してくれません。
どちらの制度も今年改定があり、内容も今までより拡充されたものになっています。“制度があるのは知っているけれどどう申請すればいいの?”“出産間近で市の窓口までなかなか質問に行けない!”という方へのご参考までに、なび子が市役所の窓口で聞いてきた内容をご紹介します。
両制度の窓口は、平成18年4月から児童支援課から“元気子ども課”という市役所の2階に変更されました。2階に上がると様々な窓口が並んでいるのですが、元気子ども課はずっと歩いていった一番奥にあります。
左右にそれらしい窓口が分かれているのですが、今回の申請窓口は左側のカウンター。「出産後に必要な申請についてお伺いしたいのですが・・・」と声を掛けると、ご担当者がパンフレットを手に詳しく説明してくださいました。
「こちらの窓口で受け付けるものは、“児童手当制度”と“八千代市乳幼児医療費助成制度”の2つになります。まずは児童手当制度について簡単にご説明しましょう。」
この児童手当制度とは、第1子・第2子に対しては月額5,000円、第3子以降は月額10,000円が支給される制度です。従来は小学校3年生までが支給対象だったのですが、平成18年4月から内容の拡充が図られまして、小学校6年生まで(12歳到達後最初の3/31まで)に拡大されました。
ただし、前年の所得が一定額以上の場合には支給対象外となってしまうのですが、今回の改正でこの所得制限も引き上げられています。
「児童手当を受けるには、“児童手当認定請求書”というこちらの用紙を提出いただくことになります(この用紙は出産前に元気子ども課へ貰いに行ってもいいですし、出生届を提出する際に寄って直接窓口で記入しても大丈夫です)。手当が受けられるのは申請をした翌月分からになりますが、赤ちゃんがお生まれになってから15日以内に提出いただければ、出生日の翌月分からお支払いすることが出来ますよ。」
7月25日に出産したとすると、8月9日までに提出すればいいわけです。8月10日〜31日に提出してしまうと、9月分からしか手当てがもらえないので8月分の5,000円を損してしまうわけですね。
「手当ては4ヶ月に1度、2月・6月・10月に前月分までがまとめて振り込まれます。8月分からのお支払いとなれば、10月に10,000円、来年2月に20,000円が振り込まれることになりますね。
この申請書ですが、ご夫婦が共働きの場合は収入の多い方の名前で提出いただきます。」
申請書で記入しなければならない項目は、おおまかに「請求者」「支払希望金融機関」「支給要件児童」の欄になります。「請求者」には収入の多い方、なび子家で言えばなび夫さんの氏名(押印欄有り)・住所・性別・生年月日などを記載し、「支払希望金融機関」の名義もなび夫さんの口座になります。ちなみに、郵便局はダメだそうです。
「支給要件児童」欄には、1人の場合は1行、双子ちゃんなどの場合は1人1行でその分記載します。住所などは請求者と同じであれば“同上”と記載しても大丈夫です。そのなかで“監護の有無”という項目があるのですが、これは監督保護の略で“その子の面倒をみているかどうか”という意味です。
これ以降にも色々書く欄はありますが、加入している保険の種類だけ○をすれば、あと所得の状況など細かい記載欄は市役所で調べてもらえるので記入の必要はないそうです。
この申請書を提出する際に、厚生年金保険に加入している方は“保険証のコピー”を添付する必要があります(国民年金の場合は不要)。カードや紙など所属する先によって形式は異なりますが、表面部分だけコピーをとれば良いそうです。
添付書類として、1月1日に八千代市にその年の1月1日に住所がなかった方(1月〜5月の手当分の認定請求の場合は、前年の1月1日に住所がなかった方)については、前住地の市区町村の「児童手当用の所得証明書」も必要になります。以前住んでいらした場所の市役所でもらえるものですが、電話で問い合わせて郵送してもらえる場合もあるそうですので、まずは連絡してみるのがいいかもしれません。
「申請書以外の添付書類については、後からでも受け付けることが出来ます。もし出生後15日以内に用意することが出来なければ、先に申請書だけでもご提出ください。」
ちなみに、既に児童手当を受け取っていらっしゃるご家庭で、ご出産などによりお子さんが増えた場合は「額改定認定請求書」という別の申請書が用意されています。2人目以降の方はこちらの用紙を提出することになりますのでご注意ください。
今回提出した結果、場合によっては認定が却下されることもあります。所得制限額が定められていて、収入が扶養親族等の数に対して設定された金額より高い場合は、手当てがもらえないのです。
前年度の収入の状況で判断されるので、例えばなび家のケースでは、今年の3月まで共働きで私がなび夫さんの扶養になっていないため、「扶養人数0人→所得制限限度額532万円」が適用されてしまいます(なび家は大丈夫ですが・・・)。
万一この制限に引っかかってしまい、申請したのに適用されなかった!という方も、今後ずっともらえない・・・ということではないのでご安心を!
この児童手当制度は毎年6月に「現況届」を提出しなければ、続けて手当てを受けられないようになっています。なび家の場合、来年6月1日時点にはなび夫さんの扶養人数がなび子とベビーの2人になるので、所得制限限度額が608万円に引き上げられることになり、初年度でもらえなくても来年からはもらえる場合も大いにあるわけです。お子さんが小学校を卒業するまで12年間もありますから、一度対象外になっても毎年必ずチェックして貰い損ねないようにしたいですよね。
注意したいのは、既に手当てを受けている方には毎年この「現況届」が郵送されてくるので、うっかり忘れていても(厚生年金保険加入者の場合は同じく保険証のコピーを添付して)提出すればいいのですが、制限に引っかかってもらえなかった方は自分で申請に行かなければなりません。
しかも、“児童手当は申請した翌月分から支給”されるため、しっかり6月分からもらうためには、5月中に申請しに行く必要があります。
他にも、自分で申請する機会は転居のために他の市区町村に住所が変わるときや、手当てを受けるお子さんが増えて額改定をする場合などがあります。また、厚生年金から国民年金に変更になった場合は所得制限限度額が変わったりもしますので、ご注意を!
(詳細については以下リンクをご参照ください)
〔詳細内容リンク〕
・厚生労働省/児童手当制度の概要
・(財)こども未来財団/i-kosodate.net 児童手当制度のご案内
さて、次は“八千代市乳幼児医療費助成制度”の手続きです。
「こちらは健康保険が適用された医療費の窓口負担額の一部(生活保護等で所得割非課税世帯は全額)を助成する制度です。具体的には、入院・通院・調剤など病院でかかった費用の自己負担額が、入院200円/日、通院200円/回、調剤0円になるというものです。
この助成内容は0〜3歳までが対象で、4歳〜小学校就学前のお子さんについては“7日以上継続した入院のみ”適用されていましたが、平成18年8月からは、0歳〜小学校就学前までに助成対象が拡大されました。」
助成対象外の費用としては、検診や予防接種の費用、薬の容器代、入院時の差額ベッド代や交通費などです。飲み薬のビン代として30〜60円かかったりするのは、この容器代に当たります。
「この助成を受けるには、こちらの“八千代市乳幼児医療費助成申請書”に記入いただき、お子さんの保険証のコピーを添付いただく必要があります。何度も足を運んでいただくのも大変なので、児童手当の申請をする際に一緒にこの申請書だけを提出し、保険証のコピーが準備できた際に送付していただいても大丈夫ですよ。」
当年の1月1日時点で八千代市に住民登録されていない方(申請日が1/1〜7/31の場合は前年)は、別途“市町村民税所得課税証明書”も提出するそうですが、税額の内訳が記載されている必要があるようです(証明書の名称や記載内容は各市町村毎で異なるそうなので、前住地の市役所にて御確認ください)。
A4サイズの申請書には、「申請者(押印欄有り)、対象となる乳幼児、世帯構成、加入医療保険」を記載する欄と、「市民税確認承諾書」及び「同意書」(どちらも押印欄有り)の欄があります。
「申請者」は申請後に受給券が送付されるのですが、その送り先となる住所を記載します。ここは児童手当申請のように収入の多い方などという制限はなく、ご夫婦どちらを記載しても構わないそうです。
「市民税確認承諾書」には氏名欄が3つ用意されていますが、ここは基本的には養育する両親(父母)の名前を書きます。3行目の氏名欄は、例えば同居する祖父母などが養育する場合などに利用し、ここに書かれた方の市民税額を調べるそうです。
この申請を済ませると、1ヶ月以内に「乳幼児医療費助成受給券」というカードが郵送されてきます。これは対象となるお子さん1人ずつに発行されます。一度申請したお子さんの住所を変更する場合などは、また別の用紙で変更届出書を提出する必要があるそうです。また、お二人目などをご出産される場合は、今回同様新規で申請する必要があります。
これは千葉県内の制度なので、八千代市内だけではなく県内の病院で受診した場合は、このカードを提示さえすればOKです。特別な手続きをすることなく、窓口で200円の自己負担金(と、あれば保険適用外の費用)を支払えば、残りは市が負担してくれます。
※加入している健保から高額療養費や附加給付金が支給され、乳幼児医療費の助成が過払となった場合は、その相当額を助成額から差し引くことになるのでご注意ください。詳しくは元気子ども課へお問い合わせを。
ただし、千葉県内であっても市と未契約の医療機関であったり、接骨院などの柔道整復施術機関で受診した場合、また県外の病院で受診した際には受給券が利用できません。その場合は別途市役所に申請をして、負担した金額を振り込んでもらう必要があります。他にも受給券を忘れて受診してしまったり、有効期限を過ぎた受給券を利用しようとしたとき、また受給券が届く前に受診した場合なども同様です。
申請は、元気子ども課(若しくは各支所・連絡所)でもらえる「乳幼児医療費助成金給付申請書」に、病院で入手した領収書を添付して提出します。(ちなみに、医療費を支払ってから2年以内に申請しなければ適用されないのでお忘れなく!)
なので、受給券が使えなかった場合は、必ず領収書(コピー不可)を忘れずに受け取ってください。受診日毎にお子さんの氏名と保険点数(又は保険適用分の明細)が記載されていることが必須となるので、もし保険点数などが書かれていない場合は差し替えてもらったり、領収書自体に書き加えてもらえば大丈夫だそう。印刷されたものに手書きで追記する際は、医療機関の印や記載した担当者の認印などを押して“医療機関側で記載した”ことを証明してもらいます。
この制度の案内には、“領収書に不足している事項がある場合は「医療費計算書」を別途添付”と記載してありますが、上述のとおり対応してもらえればあえてこれを病院に持参して書いてもらう必要はないそうです。
この乳幼児医療費助成は市区町村によって内容が様々で、今回記載した内容は千葉県の標準制度ですが、港区や台東区などでは15歳まで適用されたり、他の区でも12歳・9歳などかなり手厚い内容になっています。
ちょっと前までは2〜3歳までの助成が平均的な内容だったようですが、ここ数年で随分と見直しが図られていますし、今後さらに優遇されてくる可能性は十分にありそうです。
県内でもこの8月の拡充前に、市によっては5歳まで通院・調剤を含めて助成対象になっているところがあったりと、独自色を出している市がありました。小学校に入学してからだって病気や怪我は絶えない子どもたちのこと、今回の改正後もさらなる見直しを図って、他の市に先駆けた八千代市ならではの助成制度へと育てていって欲しいですね!
●八千代市子ども部元気子ども課
千葉県八千代市大和田新田312-5 八千代市役所2階(地図)
電話/047-483-1151(代)
窓口/8:30〜17:00(土日祝休み)
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