先月の八千代市議会(9月定例会)で、秋葉市長が選挙公約で『農業交流センターと道の駅やちよの間に架ける歩行者専用橋(ペデストリアンデッキ)の建設を中止する』と明言した事業を、存続させる一般会計の修正補正予算案が9/27に可決されました。
それを受けて、秋葉市長は先日の10/4に、市議会に審議のやり直しを求める「再議権」を行使しました。
何だか知らないうちに、どんどんと状況が険悪化している様子に、やちなびにもこんなコメントが届いたりしています。
『米国では、政府と議会のねじれで「債務上限」「新年度予算」の問題で世界経済を揺るがそうかという深刻な事態になっています。
当八千代市でも、金額規模・世界経済への影響は米国に比べるとはるかに小さいものの、「橋のそばの“ハシ”」の建設(3.4億円)を巡って、市長が市議会に対し‘再議権’を行使し、八千代市議会で審議されることになりました。市民及び納税者(零細ながら)の一人として、市政の運営を一部の関係者に委ねる(「おまかせ民主主義」)ことなく、市政・市議会をモニターする一環としてとりあえずその議会を傍聴してみることを皆さんに勧めたいです。』(八千代市在住・Kさん)
再議権というのは“地方自治法に基づく首長の権限”で、議会の議決に対する「拒否権」にあたります。再可決には、出席議員の3分の2以上の賛成が必要となりますが、9月定例会では当初の計画通りに事業費を計上した修正案が共産党、みんなの広場、無所属の6名を除く23名の賛成によって可決されているため、再審議で覆すのは難しいとの見方も。
このペデストリアンデッキについては、本当に色々な意見が飛び交っていますよね。
でも実際にあの農業交流センター前に立ってみると、やっぱり最初の構想自体が橋ありきで考えられているんだろうなぁと思わざるを得ない状況。
まず、クルマで村上方面から16号で向かったときの不便さも問題。
交流センターの駐車場から村上方面に帰る場合、16号に合流するまでに1台しか行き来できないトンネルがあって、初めて利用する方にはとても分かりにくいっていうことも気になります。
緑が丘方面からなら、交流センターの駐車場はとても便利だし、村上・中央方面から来る方は道の駅やちよ側に駐車してペデストリアンデッキを渡ったら、すごくスムーズ。
「橋がすぐ隣りにあるんだから」という表現を簡単に使えるのは、多分実際に使ってみようという気持ちで渡ったことがないんじゃないかしら・・・。
渡ったことがある方なら分かるかと思いますが、大型トラックとかが通るときの風圧が凄い。クルマの重みで橋がぐわんぐわんと跳ねるし、けっこう怖いのです。大人なら問題ないと思うけれど、ここをまだ小さい子供たちと一緒に、両手に荷物で安心して渡っていける?!
どうにかもうちょっと安心して渡れるように、例えば歩道の幅を広げるとか、柵をもっと高くするとか、すこし改修したらどうかとも思うけれど、この橋は国交省が造ったもので、少しでも手を加えようとすると、ひとつケタが違う費用がかかるとか。
多少の改修で莫大な費用がかさむくらいなら、むしろ歩道専用の橋を新しく架けた方が費用の面でもメリットが大きく、川で挟まれてしまっているみちの駅と農業交流センターの一体感・集客性のアップも狙えるということで、市単独で費用負担せずに済むチャンスの新川事業で、歩行専用の橋(ペデストリアンデッキ)が初期構想の中で組み込まれたそうなのです。
一方で、橋がかかったところで「今」の農業交流センターに魅力がなければ人は来ない。
本当に、ごもっともな意見です。
バーベキュー施設として土日に賑わっているのですが、平日はガラン・・・。
というのも、なに一つテナントが入っていないから。
↑ こんな張り紙が全テナント区画に貼られているのを見ると、何ともいたたまれない気持ちになります。
交流センターの方から聞こえるのは、「橋が予定通り出来る見通しが立たないから、決まっていたテナントが全部逃げてしまった」というもの。
でも、予定していたテナントが入れば、途端に賑わう見込みがあるのかしら?
私はこの施設の運営について、管理者側に少々押し付けすぎやしないかと・・・。
コンセプトがあるなら、この新川沿いの開発や八千代の農業発展について思い描くものがあるのなら、ぜひ専門の方にもっともっと具体的なアイディアを膨らませてくれるくらい、最後まで面倒を見てから引き渡してはどうかと思うのです。
だって、この農業交流センターを任されているのは、八千代の農家の方々なんですから。
皆さんお忙しい合間を縫って打ち合わせを重ねて、作り上げているんですよ!
バーベキューの企画も、ここでのイベントも。
どうすれば八千代の農業がもっと盛り上がるのか?直売だけではない販売ルートを広げるべく、例えば「収穫体験」をいかに効率良く提供できるようシステム構築するか?
この農業交流センターを拠点にすることで、今までは個別に対応できず畑から直売所へ品を持ち込むしかなかった売り方から、収穫体験の場としても提供できるようにし、お客さんは収穫を楽しめるし農家もその一部利益を還元してもらうことで収穫・販売の手間が省けて利益を生み出せるという好循環をつくる構想を練ったり。
聞けば聞くほど、八千代の農家の方々は本当にアグレッシブ!
お向かいの道の駅やちよの直売所だって、市内農家の方々によって手探りで作り上げられたお店です。農家だからこそ新鮮だけではない品自体の良さへの目利きが光るし、農家の方にとってもメリットがある販売形態を生み出せたりということにつながっているわけです。
だけれど、やっぱり限界があるでしょうに。
フロアの使い方、人を呼び込めるサイクル、きっといろんなアイディアが集まれば、あの施設もうまく歯車が回り始めるのではないかしら・・・。
シンプルで使いやすそうな施設、すばらしい自然豊かな環境、これが生かせていないなんて!
こんなもったいないことありません。
私はやちなびを通して、いろんな農家の方々とお話する機会に恵まれてきましたが、八千代の農家の方々って活力にあふれているなあー!といつも思います。
この思いが、良い形で市民の方々にも享受されていけばと切に願うのです。
明日8日、議会運営委員会が開かれて市議会の対応が決まり、臨時議会が10月10日(木)に招集される予定です。10:00から始まりますが、傍聴するには八千代市役所4階の「議会課」で、メモ程度の簡単な手続き(書類・身分証明など一切不要)をするだけ。
問責決議案なんてことも一部から聞こえてきています。
Kさんのおっしゃるように、市民として「今、私たちの住む街で起こっていること」へ耳を傾けてみるのも良い機会かもしれません。
【参考】
八千代市議会:新川計画・歩行者専用橋事業存続、補正予算修正案を可決 市長「再議権行使も」
(毎日新聞 2013年09月28日 地方版)
⇒http://mainichi.jp/area/chiba/news/20130928ddlk12010283000c.html
八千代市:新川地区整備計画 市長が再議権行使 中止明言事業、存続補正案可決で
(毎日新聞 2013年10月05日 地方版)
⇒http://mainichi.jp/area/chiba/news/20131005ddlk12010295000c.html