2012年12月26日

「八千代中央図書館&市民ギャラリー」の詳細情報と八千代市財政について

最近、市内各地でいろんな工事が進んでいますよね。

長期にわたって取り組まれてきた新川周辺整備。
今までは道路の修繕・改築や、橋梁の塗り替え、改修工事などが進められてきましたが、平成24年度に入ってからは詳細設計などを終えた建物関連の事業が、続々と工事へと移ってきています。

この12月に行われている市議会の第4回定例会でも、茂呂剛議員から新川事業についての進捗状況や今後の見通しについて質問が出て、都市整備部長から詳しく説明がありました(⇒12/7一般質問の様子は市議会HPで録画が観れます)。
それによれば “ふれあい農業の郷” では農業交流センターの本格的な工事がスタートしていたり、勝田台中央公園や辺田前2号などの公園整備も着手していて、今度の3月末には共用が始められる状況にあるようです。

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↑ 左はふれあい農業の郷予定地を、対岸の道の駅から撮影(H24.10月)。右はH24.11月頃から本格的に工事が始まった辺田前2号公園の様子です。

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↑ 勝田台中央公園やこの辺田前2号公園などには、地域住民の災害時避難先としての要素も取り入れられていて、遊具の他にもかまどベンチや防災パーゴラなども設置されるんですって!(写真は辺田前2号公園の整備予定図)


今回はそんな数々の「新川周辺地区都市再生整備計画」の中でも、特に気になっていた八千代市中央図書館・市民ギャラリーについて、どのような計画が進められているのかを具体的にご紹介していきます。
※今までの市議会定例会の内容や、八千代市ホームページにリンクされている関連資料などをもとに調べたものをまとめました。現時点で以下内容の正確性は確認済ですが、今後計画に変更が出る箇所もあると思いますのでご了承ください。

一応、基本情報をさらっとお話しておきます。
2015年(平成27年)にオープンが予定されている中央図書館。
私が八千代へ引っ越してきた十数年前当時から、県立図書館が出来るなんていう話が噂されていたのですが、なかなか実現に至らなかったんですよね。新川整備事業に国から交付金が受けられることが決まり、県に頼ることなく市が図書館設立を進められる財源が得られて、いよいよ具体的な話となりました。
実際、図書館新設については、5年前に市内住民から3万6千もの署名が集まったほどニーズの高いものです。

場所は、八千代中央駅と村上駅の中間あたりにある「むらかみ橋」のすぐ脇。毎年ふるさと親子祭の花火打ち上げ場所になっていたところに建設されます。 ⇒地図
3.11の東日本大震災では液状化による地盤の脆弱性が指摘されましたが、震災の際に液状化したのは表面に整地していた土壌部分だけで、地下は大変強固な地盤であることが地質調査の結果分かりました(現在着手中の地盤改良工事は、総合グラウンドの部分だけで済んでいます)。図書館の建物には免震構造(=地震を耐えることができるが揺れを抑えられない耐震ではなく、振動を建物下のダンパー等によって吸収し揺れをほとんど感じさせないのが免震構造。図書など展示品の落下・転倒を防ぐ。)を採用しているため、今後の震災対策には万全を期してるとのことです。

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↑ 八千代市中央図書館・市民ギャラリーの複合施設の完成イメージ

そもそも、現在4か所ある図書館の充実を図るのではなく、なぜ新たに作らなければならなかったのか?
その理由もまとめておきましょう。

・蔵書数の限界
八千代市内にある図書館は、蔵書の充実を図ろうにもすでに書庫が一杯でこれ以上増やせない状況になっています。具体的には、緑が丘図書館 約12万5千冊、勝田台図書館 約10万8千冊、大和田図書館 約10万5千冊、八千代台図書館 約8万5千冊の蔵書数があるのですが、新しく本を追加する余力が無いというのです。
とは言え、近隣市の地域図書館と比べて蔵書規模が小さすぎるわけでもなさそう?と思って調べてみましたら、近年ではそれらをバックアップする“中央図書館”の整備が各市で広がっているんですって。

全国の公共図書館蔵書数ランキングでも上位に入ってくる市川市や浦安市、千葉市といった70万〜80万冊規模の中央図書館を引き合いに出しても話にならないけれど・・・、例えばお隣りの佐倉市では一足早く図書館整備計画が進められていて、平成3年時点で市内図書館全体の蔵書数が約20万冊規模だったのが、平成15年には約65万冊まで整備され、2年後の平成26年度には90万冊まで増やすことを目標にしているとのこと。この躍進には蔵書可能な施設の整備がすすめられてきたことも要因のひとつで、特に規模の大きい志津図書館には八千代市からの利用者が多いことも知られています。八千代市民に図書館を利用したいというニーズはあるのに、それに耐え得るコンテンツの充実が図れず、利用者が市外へ流出しているわけです。

既存の図書館には貴重な資料も多く、より多くの方に八千代市の図書館を利用してもらうためにも、圧倒的な蔵書容量を持つ中央図書館が不可欠ということでした。既存の地域図書館の負荷を軽くしてあげることで、スペース的にも余力が生まれ、ニーズに合った書籍を多く置くことができたりと、再生化にもつながることが期待されています。
ちなみに、市内4カ所にある図書館のうち、とくに大和田図書館と八千代台図書館の老朽化・耐震については心配されるところではありますが、単独での建て直しや耐震工事、蔵書拡大に耐え得る設備改善について検討されたものの、通常の予算内で財源を確保するには大変厳しい状況でした。早急に対応するには、国からの補助金対象となる新川事業に盛り込んで、新設した中央図書館側からサポートするほうが現実的だったようです。

・子供向けスペースの不足
既存の図書館では、親子がゆっくり図書に触れあう環境が整備しきれていません。
利用者間でのクレームで最も多いのが、子供が騒いだり駆け回ったりと子供が発する騒音だそうですが、一番新しい緑が丘図書館でようやくそれらしい設備を整えられたものの、勝田台図書館ではワンフロアに児童と大人向けの図書が並んでいるため、周りを気にしながらゆっくり選ぶことが出来ない状況です。八千代台図書館は2階に児童図書がまとまっているものの、3階建ての建物を行き来しなければならないことや、同じく大和田図書館も児童図書は別館にあるので多少賑やかにしても問題ないものの、児童書が1階・2階と分かれているので使いづらさが指摘されています。
八千代市は「子どもの読書習慣の形成には、家庭の中に本がある環境を作ることが大切」という理念のもと、子どもの発達段階に合わせた本の選び方や楽しみ方の情報を得るためのサポートに傾注しています。
平成24年4月からは、八千代市在住のすべての赤ちゃんに絵本パックを贈る「ブックスタート事業」が始められました(H24.4月生まれ以降が対象です)が、これも家庭から本に触れ合う機会を増やしていく後押しにと企画されたものです。
中央図書館では積極的に図書館を利用してもらえるように、絵本や児童書の充実はもちろんのこと、乳幼児を連れて来館しやすいようなレイアウトや設備充実を図ります。

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↑ ブックスタートパック見本。図書館で借りる大きめな絵本もすっぽり入る布バッグ付です。赤ちゃん広場で配布されますが、その場で読み聞かせを行うほか、乳児期から家庭での絵本を介した親子の言葉かけやスキンシップの大切さを伝えます。
⇒詳細はこちら(H24.9.5 広報やちよから)

・八千代中央駅及び村上駅周辺地域向けの図書館整備のため
平成10年頃から八千代中央駅や村上駅周辺の都市計画化が進められるにつれて、人口が急激に増加していきました。この地域をカバーする図書館が現在も無いため、整備が急がれています。今回の中央図書館までは両方面からの遊歩道などが整備されたうえで、このあたりの地域図書館としての役割も担えるような立地に建てられることになりました。

・学習スペースの不足
八千代市では、受験勉強などで利用したくてもじっくり自習できる場所が少ないという問題を抱えています。緑が丘図書館は設備が整ってはいるものの学習スペースが少なく、1階にある28席の自習室は入れ替え制(予約をして時間交代制)で、落ち着いて勉強ができない状況です。八千代中央駅にある生涯学習プラザも、1階フロアではいつも満席だったり、人通りもあって落ち着いて作業する環境としてはやや不足気味。勉強場所を求めて、学生は郷土博物館にまで足を伸ばして自習の場を求めている状況だとか。
既存の図書館に学習スペースを確保しようにも、先の蔵書スペースの問題や、そもそもの建物の狭さなどが邪魔をして、どうにも工夫しようがないのが現状です。

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↑ 左は緑が丘図書館の自習室。予備校の一室みたいな雰囲気です。右は勝田台図書館にある学習スペースですが、一般向けの席は写真に写るこのテーブルしかありません。

ようするに、市内に既存する4つの図書館の設備や機能に限界がある、ということなんです。
今回の中央図書館にどのような機能を持たせるか?どうレイアウトすれば良いのか?など、詳細設計に携わる方々の中心には、過去に市内全4か所の図書館で勤務されてきたご経験をお持ちの方もいらっしゃると市議会でも話が出ていたようです。
現場で感じてきた問題点が分かっているからこそ反映できた、その具体的なプランとは?!


八千代市中央図書館の特長について

この施設は、図書館と市民ギャラリーとの複合施設です。
誰もが気軽に利用でき、使いやすく快適な生涯学習施設となるよう企画・設計されたものです。
敷地面積は1万500u、延べ床面積は約6,089uで、そのうち中央図書館の専有面積が約3,605u、市民ギャラリーが約1,057u、共用部のエントランスなどが約1,426uとなっています。
建物は地上2階建てですが、基本設計のコンセプトのひとつに「利用者スペースをワンフロアにして、使いやすさを重視すること」とあるように、図書館も市民ギャラリーも同じ階で全て行き来できるように工夫されています。

1.図書館へのアクセスについて
駐車場がすぐ目の前に約260台分、駐輪場は約175台分用意されています。ここは総合グラウンドと共用で、送迎用の大型バスが入れるようなロータリーも。
2015年度にオープン予定の図書館なので、市内巡回バスなどのルートに加えたりといったアクセス向上のための施策については今後検討されるようです(ちなみに女子医大のときもオープンした後にバスなど交通関係が整備されましたし、そのあたりは恐らく議会の話題にものぼるとみられています)。
駐車場から建物へのルートも、車イスやベビーカーでも問題なく入れるように段差をなくすなど配慮されています。

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2.圧倒的な蔵書数で地域図書館をバックアップ
中央図書館の収容可能冊数は、開架(=実際の本を見ながら探すことができる本)約17万冊、閉架(=目録などを元に資料を探す方式。一般利用者は実際に書架の間を歩いたり、本を直接手にとったりしながら探すことはできません)約29万冊の、合わせて約46万冊となっていて、現在の4つの地域図書館の蔵書冊数の合計とほぼ同じになっています。
中央図書館がオープンした後には、市内の4つの地域図書館との連携強化が行われていくとか。
各図書館それぞれで保管していた特徴的な図書(例えば、大和田図書館には八千代市の郷土資料が沢山そろっていたりします)など、特に調査・研究に役立つ専門書を中央図書館に集約することで、地域図書館との役割分担を行います。それによって従来のようにいくつもの図書館へ足を運ばずに済むようになるだけではなく、スペース的に余力が生まれた既存図書館ではニーズに沿った新しい本を増やしやすくなるなど、図書館全体のサービス向上につながります。
もちろん中央図書館に集められた書籍は図書館間での物流便によって各所へ配布できるので、より一層豊富な蔵書の中からチョイスできるようになります。


3.子供向けに考えられたスペース満載!
0歳の赤ちゃんでも寝転がりながら絵本に触れられるような、騒がしくしても気にすることなく本に親しめるスペースが用意されました。近隣市の図書館で人気の、“読み聞かせ”をしても周囲に迷惑がかからない部屋があったり、外のテラスに出て自然を感じながら本に触れられたり。絵本は手に取りやすいように表紙を見せて置ける棚を揃えたとか。
乳幼児の親子でも過ごしやすい環境を整えるため、児童用トイレや授乳室も用意。
親子はもちろん、子供だけでもじっくりゆっくり過ごせる工夫が満載です。


工夫1 一般図書と動線を分ける
使いやすさを考えてのワンフロアに広がる図書館ですが、子供向けと一般向けのエリアを動線によって自然と区切られるレイアウトになっています。図書館の貸出確認ゲートを入って一番近くの、すぐ左側に子供が利用するゾーンがあります。一般図書から一番遠い場所に乳幼児用の絵本が置かれ、だんだんと知識関連の本、ティーンズ向け、と成長につれてスムーズに一般図書へと手を伸ばしていけるような配慮も。
ちなみに一般図書との境は雑誌コーナーになっているので、多少の騒音も許容範囲内?
完全に部屋を分ける手法もありますが、結局親も本を借りたいとなると子供を連れて一般図書フロアへ立ち寄らなければならず(階が違うとさすがに子供を置いて自分だけ向かうのも心配!)、そこでちょっとでも声を大きく笑ったりするだけで注意しなければならない気苦労を思うと、ついつい子供のためには図書館へ行っても自分のための本はなかなか借りられなかったんですよね。
中央図書館の書籍レイアウトを見ると、暮らしに関するものが一番幼児向けエリアに近いのも助かりますし、育児関連の書籍を下に出てくる“こどもテラス”そばに置いてもらえる予定もあるようだし。
ママも本に親しみやすいレイアウト、これは嬉しい!

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↑ 図書館を入って一番近い場所に子供向けエリアが。

工夫2 ゆったり過ごせる雰囲気
館内は雰囲気づくりにも大変こだわりがあるそうです。
子供向けエリアに置かれる図書館家具は、子供が怪我をしないよう角が丸くて、見た目も可愛らしい雲形の木製家具などが配置される予定。
また、数か所に“光庭”というものが設計図に書き込まれていたのですが、これは天井部からガラスに囲われている庭で、自然光を室内に取り込むことで柔らかい雰囲気を演出。しかも過剰な照明が要らないので節電にもなります。そもそも図書館は奥行が深くなる特性があるので、どうしても一日中照明に頼る傾向がありますが、ワンフロア設計という建物の特色を生かして“天空光”を効果的に利用しています。ただ採光を考えただけではなく、図書館全体に差し込む光のうつろいが計算されていて、一日中いると館内の雰囲気そのものが変わっていく様子がうかがえるらしい!
こうした効果で昼間は極力照明をつけずに活動できるほか、太陽熱を利用した冷暖房設備など、自然エネルギーを活用した節電対策が随所に施されているのもこの施設の特長です。
ちなみに、曇りや雨の日は自動的に調光されるので、部屋は一定の明るさが保たれるようになっているそうです。

工夫3 こどもテラス
子供向けエリアの一番角には、“こどもテラス”というウッドデッキタイプのコーナーがあります。こちらは屋根はなく(パーゴラ的なものはあるようです)、ベンチがあって外で絵本を読んだり、泣いてしまったお子さんを連れだして気分転換させたり・・・といった、ちょっとした息抜きスペース。外に面していますが、子供が勝手に館外へ出られないよう囲われているので安心です。
ここには水道もあるそうで、親子で参加できるワークショップなども開催する予定。
このテラスの出入り口にもテーブル&チェアがあって、お母さん方が一息つきつつ育児に関する本などを手にできるような書籍配置も検討されているそうですよ!

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工夫4 おはなしのへや
こどもテラスのすぐ右隣りに配置されているのが、“おはなしのへや”。
図書館のイベントとして読み聞かせを行う場所ですが、行事がないときには乳幼児をお連れになった親子や、子供の自由な読書スペースとして利用できるようにと考えられています。
ここではお母さんが声を出して気兼ねなく読み聞かせができるのが魅力!図書館内にはベビーカーが持ち込めますが、この部屋は乳幼児がハイハイしたり寝っ転がったりできるようになっているので、出入り口にはちゃんとベビーカー置き場も完備!

工夫5 児童書の書庫
この書庫には、児童書の選び方について書かれている本など、児童書に関する資料がまとまって置かれています。保護者の方が絵本選びの参考に利用するのはもちろんのこと、児童に関わるお仕事をされている方への参考図書としても活用してもらえるスペースです。
この書庫の入口には、授乳室や児童向けのトイレもあります。

工夫6 グループ学習室
小学生になると図書館見学が行われることがあるそうですが、今までは受け入れるにもスペースに余裕がなくあまり良い環境を提供出来なかったとのこと。この中央図書館には、園児や小中学校の生徒がクラス単位で受け入れられる学習室を用意したので、半日くらいゆっくり落ち着いて図書館で過ごせます。グループ学習に使用されないときは、子供たちが落ち着いて本を読める部屋として自由に使ってもらえるよう解放します。


4.学習スペースの充実
中央図書館には合計400席もの自習席が完備され、一日中集中して学べる環境が整えられます。
テーブルは基本的には外へ面して設置されているので、新川や周囲の緑を望みながら学習できるという、何とも魅力的な配置に!
主な学習スペースは目的別に3区画に分かれていて、小声の会話が可能な会議室タイプ、パソコンの持ち込みが可能なタイプ、さらに会話禁止の静粛を求める方向けの部屋が用意されています。
この3区画以外にも、新川側に面しているや、書籍棚の間などに、いくつもテーブルとイスのセットの座席が用意されていて、多様な利用スタイルに対応できるよう配慮したそうです。中でも面白いのが、自分の書斎のようにゆっくりと集中できる個室タイプの部屋が4つあるんですって!
予約が必要な席もあるようですが、学習目的のスペースはたくさんあるので、例えば緑が丘図書館の学習室のように予約を取り合うような状況にはなりにくいと考えられています。

その他、障害がある方が利用できる対面朗読室や録音室、図書館を基点とした市民活動をサポートするボランティア室(=読み聞かせや手作り布絵本、視覚障害者向けの本など、ボランティア活動をしてくださる方への作業スペースとして提供。)や研修会議室なども設けられています。
そして新しいサービスとして、ICタグを利用した自動貸出機や自動予約棚などを設置し、利便性が図られるそうです。
また、この施設が“八千代市の情報提供の拠点”となるよう、出入口近くには総合情報ボードが設置されていて、ポスターやチラシなどの掲示板、モニター、パンフレットラックなどが用意されます。こちらには市から発信される公的な情報はもちろんのこと、「図書館にポスターを貼りたい!」といった要望にも応えていきます。

5.市民ギャラリーと中央図書館の相乗効果
既存施設では、市民のためのギャラリーとして利用できる場所は、市民文化祭を行っている勝田台文化プラザなどが主な場所。市内小学校に通う子供たちの絵画や工作、書道展などを、今は市役所1階のスペースで展示したりしているそうですが、今後はこの中央図書館と併設する「市民ギャラリー」を利用することで、より幅広い層へ作品に触れる機会を提供できることが期待されています。
どちらかと言えば図書館利用者のほうが圧倒的に多いと想定されていますが、その方々にギャラリーの存在を意識させ、立ち寄る意欲を自然と引き出すようなゾーニングが設計に組み込まれているんですって!

市民ギャラリー内には、市民展示室と常設展示室、収蔵庫などがあります。
市民展示室は可動壁で4室に区切られているので、内容によって接続利用することも可能。最大で約524uになり、現在市内で開催されている最大規模の展示会に十分対応できるスペースが確保できるようになっています。
何よりギャラリーの一押しポイントは、展示物の見栄えがより良くなるよう、ピクチャーレールの位置や光の当たり方などが計算しつくされているというこだわり設計。
従来は市民会館に展示していた星 襄一(ほし・じょういち 昭和後期の版画家)氏の作品357点も再び常設展示されることになっているそうです。
市民ギャラリーと図書館という相性の良さを生かし、市民の文化活動を支える施設として活躍していきそうですね。

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6.一日ゆったりすごせるための喫茶スペース
左右に分かれて2か所ある出入り口の間の円形建物内は、70席程度の喫茶・フリースペースになっています。まだ業者は決まっていませんが、こちらではコーヒーや軽食も販売される予定。この施設を利用する方だけではなく、隣接する総合グラウンドや公園へ遊びに来た方にも嬉しいサービスとなりそうですね!
現在、実施設計に入っている段階だそうで、詳細については設計完了後、広報や市のホームページなどを通じて周知されるとのことでした。


ちなみにこの施設の基本設計は、(株)岡田新一設計事務所に任されています。
基本設計委託業者を選定するにあたって、
・柔軟かつ高度な発想力、技術力
・豊富な実績
・取り組み意欲の高さ
などを持ち合わせ、中央図書館と市民ギャラリーの複合施設としての特性を生かせる最も適した者とするため、公募型プロポーザル(=業者選定の参加希望者を募って、提出させた技術提案書をもとに総合的に評価し、企画内容や業務遂行能力が最も優れた設計者を特定する方法)を採用しました。
選定された岡田新一設計事務所の実績については、新潟市立中央図書館や、図書館と公民館の複合施設である我孫子市生涯学習センターアビスタ、宇都宮美術館、最高裁判所など数多くあります。しかも公共建築賞や図書館建築賞などを受賞しているとか!
そんな豊富な実績と力が、こうした基本設計に生かされているんですね。


今後のスケジュールなど

この整備事業のスケジュールは
平成21年3月 中央図書館と市民ギャラリーの複合施設である「八千代市中央図書館等整備構想」の策定
平成22年3月 「八千代市中央図書館等整備計画」策定
平成23年度 基本設計 ⇒基本設計の概要はこちら
平成24年度 実施計画
平成25年〜26年度 工事
平成27年度 開館予定
という流れで進められていきます。

一方、既存の地域図書館について、特に大和田図書館と八千代台図書館の老朽化が目立つため、「もしかしたら中央図書館が出来たら、閉館するのでは?」という心配の声も。ただ、そこは『地域図書館があっての中央図書館』という構想なので、おそらく閉鎖はないと思われます。
中央図書館は新川事業の一環で予算が組み込まれていますが、地域図書館の対応は新たに予算を組まなければなりませんから、今後は他の事業との兼ね合いを見ながらの対策になりそうですね。
この件については現在検討中とのことなので、老朽化対策やそのための費用の捻出などの方向性が固まった段階で、情報が出てくるでしょう。


財政状況について

ここまでは色々と魅力的なお話をつづってきましたが、やっぱり気になるのは「その財源はどのように捻出されているの?八千代市にとってその支出は今後に悪影響を及ぼさないの?」といった、費用面。
丁度12月1日付の広報やちよに、平成23年度の決算内容や一般会計決算額をもとにシュミレーションした“年収500万円の家計に市の収支を置き換えたら・・・”なんていう内容が紹介されていましたが、それらや市が公表している資料などをもとに、疑問に思う点をひとつずつ確認してみましょう。

★今回の新川周辺整備事業は、約81億円もの費用がかかると聞いています。
八千代市の財政状況に見合うものなの?

平成23年度の一般会計(=行政運営の基本的な経費が計上されるもの。特別会計や公営企業会計などは、それぞれ用途が決まっているのでここでは省きます。)の歳入は約556億円でした。
81億円の今回の新川事業を分かりやすくするために、単位を億から万に変えて、一般家庭の家計に例えてみるとこんな感じの規模の話になるんです。

「年収556万円の家庭が、81万円の車を購入するためローンを組みました。21万円は親から援助してもらいました。頭金として1割〜2割5分の頭金を支払い、残りを10〜15年のローンを組み、返済していきます。」
※21万円・・・新川事業に対して、国から「まちづくり交付金」という補助金が交付され、それが約21億円あります。まちづくり交付金とは、地域の歴史・文化・自然環境などの特性を活かした、地域主導の個性あふれるまちづくりを実施し、都市の再生を効率的に推進することにより、地域住民の生活の質の向上と地域経済・社会の活性化を図ることを目的とした制度で、「都市再生整備計画」に基づいて実施される事業について、事業費の一部を国から交付されます。
平成22年度より「社会資本整備総合交付金」に名称が変更されています。
※頭金・・・市の持ち出し分(借入する年度により国の施策の変更がありその額は変動します。)
※ローン返済期間・・・道路事業が10年、建物は15年かけて返済することにしています。

【注意】あくまで市の収入に対して、どんな比率の支出がなされているかをイメージしやすく単位を変えた例えです。コメント欄で「頑張れば個人レベルで払えそうな額に錯覚します。」というご意見をいただきましたが、もちろん元の単位は“億”です。ただ、どうしても億だと1億でももの凄い金額に思えて、財政の状況を正しく受け止めにくい印象を持ったので、あえて判断しやすい単位に置き換えさせていただきました。
ちなみにこの例は、八千代市ホームページの財政情報資料にも同じように表現してあります。

⇒参考/平成24年度予算の概要「やちよの家計簿」

今回の新川事業以外にも、市では年度間、世代間負担の公平性を維持するためにローンを組んで実施している事業もありますが、ローンの総額については常に考慮されていて、なんでもかんでも新たにローンを組んで事業を行っていくわけではないそうです。
ただし、現在は東日本大震災の後、緊急に対応する事項として耐震事業を優先的に行っていることもあり、ローン残高が増えている状況とのことでした。

★新しく建物を増やすということになれば、それに伴って維持費も生まれます。
年間約7億円と聞いていますが、その見通しは検討されているんでしょうか?そして財源の確保もきちんと計画されていますか?

この7億円を先の家計で例えると、月額に直せば車の維持費レベル(ガソリン代や保険料など)に置き換えられる計算になるかしら。新川事業に関する維持・運営経費は、市の事業全体のなかで調整して捻出するべく、他事業を無理のないよう優先順位をつけながら執行していくこと、そしてさまざまな経費削減を目標とした行財政改革に取り組む、という2本柱で財源を確保していくということです。

★八千代市は近隣市と比べても、かなり積立金に余裕が無いと聞いてます。実際どうなんでしょうか?
例えて言うなら、佐倉市や船橋市などは、もう子供たちが巣立った家庭。今まで子供にかかってきたお金を貯蓄にまわせる状況にあります。一方、八千代市は高校や大学の受験を控えた子供たちがいるような家庭をイメージしてみてください。一番お金のかかる時期で、一番貯蓄に回しにくい時期ですよね。
八千代市は今、東葉高速沿線で若い世代が急増したことへのニーズ対応が求められているうえ、最初の人口急増期からしばらく経ってのリニューアル時期も重なり、とても金銭的に苦しい状況です。

とは言え、せっかく集まってくれた若い世代をどう留めておくかは市にとって大きな課題!
私の周りでも親世代を支えるために同居する家族も増えていますが、街に魅力があれば、もともと八千代に住む親世代から土地を譲り受けて、その後も若い世代に住み続けてもらえるきっかけにつながりますよね。

そのためにも、魅力ある街づくり、そして将来性を考えての事業をということで検討を続けてきたひとつがこの新川事業でもあるんです。もちろん早急に対応するべき課題には対応されているうえです。例えば子供たちが急増した地域に小学校を新設したり(萱田南小学校、緑が丘小学校)、老朽化していた消防本部の建て替え(防災の拠点になる消防本部がつぶれたら話になりませんしね)、またごみの最終処分場の延命化などもすでに完了しています。
また、気になる小中学校の耐震化ですが、平成20年度から計画的に進められていて、平成27年度に全校が完了するようです。 ⇒資料

★貯蓄にまわせないとはいえ、平成13年には21億もあった貯蓄(=積立金)が平成21年度末にはほとんど無い状況でしたよね。一体どこへ行ってしまったんでしょう?
地方自治体の財源のひとつとして“普通地方交付税”という国からの補助金があるのですが、千葉県の中でも、空港がある成田市や東京ディズニーランドがある浦安市などは不交付でも運営できる財政力がありますが、八千代市を含めてほとんどの市はこれがなければ運営に支障をきたすほど重要な収入源になっています。
八千代市では街づくりのための事業をすすめるべく多くの支出が毎年重なっていたにもかかわらず、平成19年〜21年度の3年間は、この普通交付税が全く交付されない「不交付団体」となってしまったんです。
(これは国が定める収入額を上回ると交付されません。「一定以上の収入がある自治体は、自身の収入のみで運営しなさい」という理由からのようですが、これはあくまで自治体の収入額から算定しているだけで、支出が多い状況であるとか、積立金がほとんどないといった実態は加味されません。)

平成12年度には普通交付税が約30億円も入ってきていたのですが、国の地方交付税総額が減少し続けた結果、平成18年度まで支給額は減り続け、そして交付額がゼロになった平成19年〜21年の3年間は、今までの積立金を切り崩して何とか乗り切ったため、そこで積立金がほとんど底を尽きてしまったという・・・。
そのような状況でも、平成21年度からは無料の妊産婦健康診断を5回から14回に増やしたり、ワクチンの無料化に対応するなど市民サービスの拡充は図っていたので、そうした財源を確保するためにも、積立金を切り崩す額が増えてしまったという経緯があるようです。

★八千代市の今後の財政はどのような感じになるんでしょうか?まさか今回の事業のツケがあとあと市民に跳ね返ってきたりしませんよね?
平成22年には再び普通地方交付税が交付され、毎年15億〜19億円程度の収入が得られるようになりました。並行して行財政改革(人件費の削減など)にも取り組むことで、ようやく少しずつ積立金にまわせるようになりました(実際に決算状況を平成19年度前後と比べてみても、23年度の積立金の金額は圧倒的に増えていますし、23年度は全く積立金を切り崩していません)。 ⇒資料

とはいえ、市民ニーズもますます多様化していますし、経常的にかかる費用も多く厳しい状況ではあるようですが、先ほどのローン返済にまわすための基金の積み立ても積極的に行われているなど、健全な財政運営を執り進める努力が多方面でなされています。

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かなり長くなってしまいましたが・・・まとめると、こんな感じです。
ひとつひとつ丁寧に資料を見ていけばすべて公開されている内容なんですが、どうしても部分的にしか情報は入ってこないので、誤解が生じやすいもの。
こうやって全体的に見えるようにすると、ちょっと噂などで聞いていたことと違うなぁ・・・と、とくに財政面ではすごく思いました。
八千代市が目指す“住み続けたいと思える街”づくり、来年以降も注目です。


【ご参考】新川周辺整備事業 進捗状況
・ふれあい農業の郷 
交流センターの工事を実施中。農業交流センター、ふれあいの森、ふれあい広場が2013年度オープン
・総合グラウンド 
地盤改良中。来年度(2013年)施設整備が始まり、2014年度オープン予定。
・中央図書館 
詳細設計を詰めている最中。2013年から工事が始まり、2015年度オープン予定。
・道路 
20か所修繕、18か所改築(市役所、村上周辺)。今後は米本団地、勝田台駅周辺の工事を行っていく。
八千代中央駅はバリアフリー重点整備地区、視覚障害者誘導ブロックの配置。
勝田台地域、2013年から安心歩行エリア内の歩行者路面の着色。
・橋梁 
塗り替え、宮内橋改修改良。城橋仮橋工事中。
・公園 
勝田台中央、辺田前2号、3号、5号工事実施中。2013年に共用開始。黒沢池近隣公園は2013年から工事に着手し、2014年から共用開始予定。


【市ホームページ 参考資料】
★八千代市第4次総合計画 紹介ページ
★中央図書館及び市民ギャラリー施設概要
★八千代市中央図書館等整備構想
★その他 市役所各組織の担当業務別資料
posted by やちなび子 at 00:00 | Comment(15) | 八千代市の取り組み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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