そうした貴重な機会を、ぜひ子供たちにもっともっと体験させてあげたい!と願い、企画されている方々がいらっしゃるんです。
『なかなか学校行事ともなると人数的な問題もあって無理のない内容にとどまりがち。普段体験できないようなことをさせてあげたいと思い、様々な企画を通じて活動してきましたが、今回は“中高生を富士山に連れていく”、しかも“連れていくスタッフも、大学生から募集する”という、企画する側・される側の双方の子供たちが成長できるような内容を考えているんですよ。』
そうお話されるのは、今年で創設37年を迎える「八千代青年会議所」のメンバーの方。会員には年齢制限があって、参加できるのは20〜40歳まで。41歳になると現役を退き、事業に直接参画することは出来なくなりますが、それも活力に溢れた若い組織を維持するためだそう。
実は、お会いするまで商工会議所の青年部の方なのかと思っていたんですが・・・聞けば全く別の団体で、何かこの活動を通じて利益につなげようといった目的があるわけではないそうです。法人でありながらも利益を求めた事業ではないそうで・・・一体、どんな方々が集まっていて、何を目的に活動していらっしゃるんでしょうか??
『青年会議所というのは国際団体です。20歳から40歳といえば、人生の中でも地域や家庭で重要な役割を果たしている、まさに脂ののった時期。自分たちの言動は、親として、そして企業人として、大変な影響力を持っているわけですが、なかなか“一人で何かを実現する”というのは困難です。そこで、若さと実行力溢れるこの世代が集まり、同じ方向を目指して協力することによって、明るい豊かな未来に繋げていこうじゃないか!二度とない人生、責任世代として誇りの持てる未来を創ろう!・・・そんな発想のもと、活動は広まってきました。日本国内での活動は世界的にみても活発で、千葉県内では現在25の会議所があります。八千代青年会議所もそのひとつですが、具体的な事業内容については、それぞれ地域のニーズに合ったものをオリジナルで企画・実施しているんですよ。』
八千代青年会議所の重点目標は、安全に安心して住まえる地域づくりや八千代市の活性化を図ること、また街を形成している“人”の礎となる子供たちを育てるなどいくつかあるようですが、あまり何かに特化することなく多面的に活動の輪を広げているようです。例えば、市内のNPO法人に“横のつながり”をもたらす役割を担うことで、単独活動になりがちな市民活動をまとめることをなさっていたり、選挙に欠かせない候補者の討論会を、立場上実施できない市役所に代わって企画し、市民への情報公開の場を設けたりもしているそう。
私たちの目に見える活動も行っていらっしゃいます。
“八千代親子ふるさと祭り”では、街づくりに欠かせない重要なイベントとして積極的に参加していて、おととしは「出張!なんでも鑑定団in八千代(→こちら)」を、そして昨年は「Airpark2007atやちよ」と題した熱気球のイベントを実施!
また、レポートの冒頭でもお話したような、子供たちへの体験企画も行っているそうです。昨年は、青少年宿泊体験事業「夢☆夢探検隊!」というイベント名で、小学4年生から6年生を対象とした宿泊研修が実施されました。
『このイベントでは、“自分の夢を実現するにはどんなものが必要で、何が大事なのかを子供たち自らがその糸口を見出して欲しい”という思いのもと、大人向けの自己啓発セミナーを小学生向けにアレンジし、2日間かけて実施しました。子供には難しすぎるのでは?という意見もあったプログラムでしたが、予想以上の理解力や実行力の高さに自分たちが驚かされたほどです。
子供たちの自主性を尊重することに主眼を置き、出来る限り手出し・口出しをせず、夢についてのディスカッションや作文、カヌーやカレー作りなどのレクリエーションなど様々なセッションを初めて出会う他校の小学生たちとコミュニケーションを図るという経験は、子供たちに大変なインパクトを与える結果となりました。
と同時に、自分たちが提供したこの企画によって、子供たちがみるみる成長しているその瞬間に立ち会えた感動や、笑顔で楽しかった!と言ってもらえたときの充実感を得たときは、本当にこの青年会議所の事業に参加して良かったと心から思えました。』
こうした大きなイベントのみならず、市内中学校へ将来のイメージが沸くような仕事に関する話をしに行ったり、小学校の卒業記念制作でウサギ小屋を作る企画に、建築関係のメンバーが手伝いに参加するなど、直接子供たちに接するような地道な活動も行っていらっしゃるそうです。「地域のための活動ですが、それが自分自身の成長にもつながっているんですよ。」とおっしゃるメンバーさんを前にすると、高い志を持っていらっしゃって何だか特別な方々のようでもありますが、その素顔は私たち市民と変わらない、いたって普通の方々だということにビックリ!!
『私たちは、昼間は普通の会社員や自営業だったりと、この青年会議所に勤めているわけではないんです。仕事が終わってから夜遅くまでメンバーで集まって企画を練ったり、月1回の定例会で話し合いをしたりするなど、自分のプライベートを割いて青年会議所の事業に参画しているんです。活動費もメンバーの会費を原資にしていて、行政からの金銭的な援助といったものは一切ありません。いわゆる実費を伴ったボランティア団体です。かといって、私たちは何か見返りを求めて活動しているわけではありません。皆さんと同じ“一市民”であり“子の親”としてこの八千代で生活している中で、もっと住みやすい街にならないか?何らかの形で貢献できないか?と、そんな思いから参加しています。一人で特別な行動を起こすには大変ですが、同じベクトルを持ち合わせた者同士です。仕事の傍らで時間も限られていますが、やる気や理想が集まれば具体的な事業も実現できるものです。こうした活動を通して、本当に大きな充実感を得られていますよ。』
さて、そんな八千代青年会議所の皆さんが今年の夏に企画している富士登山イベント。昨年とは募集対象も内容もガラリと変わった企画ですが、そもそも、どのような意図をもって目玉に“富士登山”を持ってこられたんですか?
『“諦めずに頑張れば、達成できる!”ということを、これから社会に出ていく中学・高校生に味わってもらいたかったんです。また、この経験が人間形成の礎となることでしょう。“日本一”のてっぺんに立つ感動、これをぜひ体験をしてもらいたいと願っています。』
大学生にスタッフをお願いしたいという意向も、これから社会に出ていく大学生の方々に、ぜひ達成感を味わってもらいたい!という願いや、中高生を引っ張れるリーダーになるという経験を経て、これを将来の糧として欲しい!という思いからだそう。
この富士登山の大学生スタッフについては、今まさに募集を行っている最中だそう!もし興味のある方がいらっしゃっいましたら、ぜひお問い合わせしてみては??
→ボランティアスタッフ及び参加中高生の募集は、応募多数につき終了いたしました。(2008.07.11)
〔企画詳細〕
【日程】平成20年8月9日(土)〜10日(日)一泊二日
【行先】バスにて富士山五合目〜八合目へ、山小屋泊まり→〜ご来光拝〜お風呂・昼食〜バスにて八千代
※富士登山以外にも、いくつかイベントを行う予定。バスにて近現代史プログラム、富士山頂にて「こころの叫び」セッション、富士山頂にて自分宛郵便(富士山頂ポスト)、日本一高いところでのご来光拝 など。
【募集人数】中高生参加者/40名、ボランティア/10名
【費用】中高生参加費/15,000円、ボランティアスタッフ/無料
※八千代青年会議所から総予算の半分を負担してます。
【問い合わせ先】047-458-7488
『富士山を登るこのイベントを通じて、中高生の皆さんには自分自身の「こころ」を見つめ直す機会にして頂きたいと思っています。今後の生き方などを自分で考えることが、将来の貴重な糧となります。さらに、強靭な精神力や日常生活では味わうことの出来ない達成感も、得られると思います。そして、大学生をはじめとしたスタッフ全員にも、中高生と一緒に“達成感”を共有してもらいたいですね。』
得てして自分の生活で精一杯という方が多い中、エネルギーに充ち溢れた自分の20〜30代の余力を世の中に貢献しようというその心意気!なかなかマネ出来そうで出来ないことです。
そんな思いを察してか、青年会議所のメンバーさんは「誰でも参加できる団体ですよ。ほんの少しでも興味をお持ちでしたら、ぜひお気軽にお声掛けください。人種、国籍、性別、職業、宗教の別なく入会できる団体です。自分の人間としての成長にも大いにプラスになる活動だと思っていますよ。」と声を掛けてくださいました。
自分に何かできないかな?
そんな風に思ったことのある方、こんなやり方もあるみたいですよ。
●社団法人 八千代青年会議所 047-458-7488
千葉県八千代市大和田新田656-1
ホームページ/http://www.yachiyo-jc.or.jp/